この日はアスク・ヒューマン・ケア研修相談センター所長
水澤都加佐先生による「感情労働者のメンタルヘルス」
についての講演でした。
この「感情労働者」という言葉が妙に心を揺さぶり、出席をとても
楽しみに当日を迎え、実際の講演も大変勉強になるものでした。
医療や福祉の現場で働く私たちは、物や機械ではなく、言葉や感情
を持った人を、それぞれの専門職の立場から支援をしていきます。
水澤先生は、医療現場においては、相手が悩みや問題を抱えた人で
あることが多く、頭脳や肉体以上に感情を酷使して働いている。
感情労働とは、時に自分の本音や感情を押し殺すことが求められ、
心のエネルギーを大量に消費する。
そのため、エネルギーを補給し続けなければ、燃え尽きてしまう。
燃え尽きないためには、セルフケアによりエネルギーを常に蓄えて
おくことが大切だとおっしゃっていました。
確かに、病気やこの先の治療、医療費について不安のある患者様や、
介護についてのお悩みを抱えたご家族と共に悩み、一緒に解決策を
探していく作業はエネルギーが必要です。
誰かを支えるには、まず自分自身が幸せであること。
という言葉をよく耳にしますが、
仕事に夢中になる程に、自分自身のケアが後回しになるのも事実。
セルフケアとは、自分の中でバランスをうまくとりながら
自己と他者、仕事とプライベート、疲労と休息などの境界線を
うまく引いていくことのように思います。
慌てて自分の趣味は何だったかな?と考え始める時点で
私はまだまだ仕事とプライベートの境界線が曖昧なのですが…

感情労働は確かに心のエネルギーを必要としますが、
反対に患者様やご家族からエネルギーをいただく機会も
たくさんあります。
この世に数ある仕事の中から感情労働の仕事を選んだのは、
エネルギーを消費することより、いただくエネルギーに
魅力を感じたからなのかもしれません。
そんなことを思いながら、感情豊かに今週も仕事に励みます。